クリニック採用コストを削減する具体的方法

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クリニック採用コストを削減する具体的方法

クリニック採用コストを削減する具体的方法

クリニック経営において、人材採用は必要不可欠ですが、そのコストは少なくありません。
求人広告費・採用サイト制作費・人材紹介料など、年間で数百万円になるケースもあります。
特に採用難時代では、費用をかけても応募が集まらず、結果としてコストだけが膨らむことも珍しくありません。

この記事では、医療クリニックなどの採用支援経験を基に、
採用コストを削減しながら、採用力を高める具体的方法をご紹介します。
この方法を取り入れることで、効率的かつ持続可能な採用活動が可能になります。

1. 採用コスト削減の基本的な考え方

まず押さえておきたいのは、採用コスト削減は単に支出を減らすことではなく、
「必要な投資を見極め、無駄を削減する」ことです。
安易に広告費や制作費を切り詰めるだけでは、質の低下や採用失敗につながる危険があります。

2つの重要な視点

採用コスト削減には2つの視点があります。

①不要な費用の削減

  • 効果の低い求人媒体への出稿
  • 過剰な広告費
  • 使われていないサービスの契約

②投資効率の向上

  • 応募数を増やす工夫
  • 採用成功率を上げる仕組み
  • 定着率を高める施策

重要なのは、単純なコストカットではなく、「低コストでも効果的な採用活動」の仕組みを作ることです。

【よくある失敗パターン】

✖️やってはいけないこと

  • 求人広告を一切出さない→応募が来ない
  • 最安値の制作会社に丸投げ → 質が低く効果なし
  • 人材紹介を完全にやめる → 急な採用ニーズに対応できない

正しいアプローチ

  • 効果の高い媒体に絞って出稿
  • 適正価格で質の高いサービスを選ぶ
  • 複数の採用チャネルをバランスよく活用

2. 採用コストの内訳を知る

コスト削減の前に、まず「何にいくら使っているか」を把握することが重要です。

クリニックの一般的な年間採用コスト

項目 年間費用の目安 割合
求人広告費 50〜100万円 30〜40%
人材紹介料 70〜200万円 40〜50%
採用サイト制作・運用 20〜60万円 10〜15%
その他(面接対応・研修等) 10〜30万円 5〜10%
合計 150〜440万円 100%

※スタッフ10〜20名規模のクリニックの場合

見落としがちな「隠れたコスト」
直接的な費用以外にも、以下のような隠れたコストがあります。

  • 院長・スタッフの面接対応時間(時給換算)
  • 採用失敗による再募集コスト
  • 早期離職による教育コストの損失
  • 人手不足による機会損失

これらを含めると、実質的な採用コストはさらに高額になります。

3. 効率的に採用コストを下げるための運用術

方法①:求人媒体費用の見直し

【なぜ重要なのか】

求人広告は大きな採用コストの一部です。
媒体の選定や掲載内容の最適化によって、費用対効果を大きく改善できます。

◻︎チェックポイント

応募単価を計算する

応募単価 = 広告費 ÷ 応募数
例:月3万円で5件応募 → 応募単価6,000円
月3万円で1件応募 → 応募単価30,000円

応募単価が高い媒体は見直しの対象です。

効果の低い媒体は整理
  • 3ヶ月応募ゼロの媒体は停止
  • 複数媒体に出稿している場合、1〜2媒体に絞る
  • 応募単価を計算し、効果の低い媒体は整理
  • 求人内容の精度を高め、無駄クリックを減らす
  • 自院の採用ターゲットに合った媒体選び
求人内容の精度を高める
  • 職種・条件を明確に記載 → 無駄なクリックを減らす
  • ターゲットに響くキャッチコピー
  • 応募フォームへの明確な導線
自院のターゲットに合った媒体選び
  • 看護師採用 → 看護師専門求人サイト
  • 医療事務採用 → 一般求人サイト
  • 美容スタッフ → 美容業界特化サイト

【具体例】

あるクリニックの年間広告費を40万円削減した事例

項目 改善後 改善後
求人サイトA 月5万円(応募月1件) 停止
求人サイトB 月3万円(応募月2件) 継続:月3万円
求人サイトC 月2万円(応募月0件) 停止
採用サイト なし 運用開始:月3万円
合計 月10万円(年間120万円) 月6万円(年間72万円)

結果:年間48万円削減、応募数は維持

方法②:採用サイト活用による広告費削減

【なぜ重要なのか】

採用サイトは「自院の公式採用窓口」です。
求人媒体と併用することで、広告への依存度を下げら、
結果的に長期的に見て大きなコスト削減になります。

◻︎チェックポイント

求人媒体は入口、採用サイトは深掘りの場
  • 求人媒体:基本条件、キャッチコピー
  • 採用サイト:詳細情報、スタッフの声、FAQ
採用サイトのSEO対策
  • 「クリニック名 + 求人」で上位表示
  • 「地域名 + 看護師 + 求人」で上位表示
  • Google検索からの直接応募を増やす
求人広告と採用サイトの連携
  • 求人広告に採用サイトへのリンクを明記
  • 採用サイトで求人広告では伝えきれない魅力を発信

【具体例】
採用サイトを充実させることで、求人媒体に出稿する頻度を減らし、年間広告費を30〜50%削減したケースがあります。

想定される削減効果

項目 採用サイトなし 採用サイトあり 削減額
求人媒体費 月10万円 月5万円 月5万円
人材紹介利用 年2回(140万円) 年1回(70万円) 70万円
年間合計 260万円 130万円 130万円

方法③:人材紹介料の削減

【なぜ重要なのか】

人材紹介サービスは手軽ですが、成功報酬が高額になる場合があります。

一般的な紹介料:年収の20〜30%

  • 年収350万円の看護師 → 70〜105万円
  • 年収250万円の医療事務 → 50〜75万円

必要に応じて、他の採用手段との併用を検討することが重要です。

◻︎チェックポイント

紹介料の相場と契約条件を把握
  • 返金規定はあるか(早期退職時)
  • 紹介料の交渉は可能か
  • 複数社から相見積もりを取る
人材紹介に頼りすぎない
  • 緊急時のみ利用
  • 通常は自院の採用サイト + 求人媒体
紹介料を減らす交渉
  • 継続利用の実績をアピール
  • 複数名採用時の割引交渉
  • 返金規定の明確化

【具体例】
あるクリニックでは、人材紹介の依存度を下げ、自院採用サイトとSNSを活用することで、
年間紹介料を210万円削減しました。

改善前 改善後
年間4名採用(全て人材紹介経由) 年間4名採用(内訳:紹介1名、直接応募3名)
紹介料:70万円 × 4名 = 280万円 紹介料:70万円 × 1名 = 70万円

方法④:内部推薦制度の活用

【なぜ重要なのか】

スタッフからの紹介による採用は、以下のメリットがあります。

  • 紹介料ゼロ(または少額の報奨金のみ)
  • 定着率が高い(既存スタッフの紹介 = ミスマッチが少ない)
  • 採用スピードが速い
推薦報奨金の例
  • 紹介1名につき:3〜5万円
  • 入職後6ヶ月在籍で支給
人材紹介との比較
  • 人材紹介料:70万円
  • 推薦報奨金:5万円
  • 差額:65万円の削減
成功のポイント 
  • 制度をスタッフに周知
  • 報奨金の支払い条件を明確に
  • 紹介しやすい環境づくり(職場の雰囲気が良い)

方法⑤:早期離職の防止

【なぜ重要なのか】

早期離職は、採用コストを無駄にする最大の要因です。

6ヶ月で離職した場合の損失
  • 採用コスト:70万円(人材紹介料)
  • 研修コスト:30万円(研修期間の給与 + 教育担当者の時間)
  • 機会損失:40万円(戦力になる前の退職による)
  • 総損失:140万円

【防止策】

入職前のミスマッチ防止
  • 採用サイトで職場の実態を正直に伝える
  • 職場見学・体験を実施
  • 条件面の齟齬をなくす
入職後のフォロー体制
  • メンター制度(先輩スタッフがサポート)
  • 定期的な面談(1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後)
  • 小さな不満を早期にキャッチ
働きやすい環境づくり
  • 適切な業務量
  • 休暇の取りやすさ
  • コミュニケーションの活性化

4.まとめ

クリニック採用コストを削減する具体的方法をここまでお読みいただきありがとうございました。

採用コストを削減するためには、単に広告費を減らすだけでなく、採用全体の効率化と自院の魅力発信力を高めることが必要です。

5つの削減方法

1.求人媒体費用の見直し
効果の低い媒体を停止、応募単価を計算

2.採用サイト活用
広告依存度を下げ、直接応募を増やす

3.人材紹介料の削減
必要最小限の利用、交渉で条件改善

4.内部推薦制度
低コストで定着率の高い採用

5.早期離職の防止
ミスマッチ防止、入職後フォロー

これらを組み合わせることで、年間100〜200万円のコスト削減が期待できます。

次のステップ
  • まずは現在の採用コストを把握する
  • 効果の低い媒体を特定し、整理する
  • 採用サイトの制作・強化を検討する
  • 内部推薦制度の導入を検討する

リフレリアでは、クリニックの採用戦略立案から採用サイト制作まで一貫してサポートしております。
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あなたのクリニックが効率的で持続可能な採用活動を実現し、さらに発展していかれることを心より願っています。

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